登山レベルについて、グレーティングで表す場合

山のグレーディングには2つの項目があります。ひとつめは、「体力度」。もうひとつは、「技術的難易度」です。体力度は、1~10までの段階があり、1から数が増えていくにつれて厳しくなっていきます。また、難易度は、A~Eまであり、Aは難易度が低く、Eになるにつれて難易度が高くなり、難しい山(ルート)になっていきます。

【体力度】

1~3: 日帰りが可能
4~5: 1泊以上が適当
6~7: 1~2泊以上が適当
8~10: 2~3泊以上が適当

【難易度】

◆A
登山道=◇概ね整備済。◇転んだ場合でも転落・滑落の可能性は低い。◇道迷いの心配は少ない。
技術・能力=◇登山の装備が必要
◆B

登山道=◇急な登下降がある。◇道が分かりにくい所がある。◇転んだ場合の転落・滑落事故につながる場所がある。沢、崖、また場所により雪渓などを通過し、急な登下降もある。
技術・能力=◇登山経験が必要。◇地図読み能力があることが望ましい。

◆C
登山道=◇ハシゴ・くさり場、また、場所により雪渓や渡渉箇所がある。◇ミスをすると転落・滑落などの事故になる場所がある。◇案内標識が不十分な箇所も含まれる。
技術・能力=◇地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要
◆D
登山道=◇厳しい岩稜や不安定なガレ場、ハシゴ・くさり場、藪漕ぎを必要とする箇所、場所により雪渓や渡渉箇所がある。◇手を使う急な登下降がある。◇ハシゴ・くさり場や案内標識
などの人工的な補助は限定的で、転落・滑落の危険箇所が多い。
技術・能力=◇地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要。◇ルートファインディングの技術が必要。
◆E

登山道=◇緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、転落・滑落の危険箇所が連続する。◇深い藪漕ぎを必要とする箇所が連続する場合がある。
技術・能力=◇地図読み能力、岩場、雪渓を安定して通過できるバランス能力や技術が必要。◇ルートファインディングの技術、高度な判断力が必要。◇登山者によってはロープを使わないと危険な場所もある。

【用語解説】
■地図読み能力・・・地図を見て自分の位置を知ることができ、目的地へのルートを識別できる能力
■ルートファインディング・・・登山道のついていないところ、また分かりづらいところで、一番安全に通過できるルートを識別すること
■藪漕ぎ・・・笹や低木などが密生する藪を手でかき分けながら進むこと